のろのろ感想

土曜日、児童虐待のドキュメント、報道劇場「児童虐待〓傷痕からの救済〓」を見た。

わたしは、虐待のことで直接医者にかかったりカウンセリングを受けたりということをまだ経験していないので、虐待について外部のものが介入し対処する「現場」のことには無知だ。どのくらい無知かというとケースワーカーって何?というくらい。決して今まで現場に興味が無かったわけではないのだが、虐待というものについて客観視できるようになったのが、近頃、ようやっとという感じなので。自助グループなどに興味を持ち始めたのも去年あたりからなのだ。

かのドキュメントはそんな私にはたいへん勉強になった。
虐待を受けている子供の安全を確保をしつつまずは虐待をする大人の心の問題を解決しなければならない、ということが番組の中で明確に言われていて、うれしかった。しかしそれがどれだけ重要なことか社会に認知されていなく、バックアップ体制がまったくできていないため、あまり上手くいっていないようだ。第一条件の「被虐待者の安全」さえままならぬ様子。
出演していた医師やカウンセラーさんは最大限まで努力していらっしゃるようだが、個人努力という認識でしか動けないのであれば、苦労も倍増だろうなあ。子供を生かそうとして頑張る人を見て尊敬の気持ちも抱きつつ、子供が生きるということがどれだけ苦難に満ちているかを目の当たりにし、なんだか遠い気分になった。

国やら人類やらが繁栄せよという気持ちは全然ないけど、人間の子供は人間にとって絶対に大切なものだ。でなければ誰も生まれる意味が無いもん。欲望で繁殖すること自体にはひとつも問題ないと思うが、欲望の形をわざわざ醜くする必要は無いと思う。