仏壇と神棚

父の実家、私にとっては従姉妹の住んでいた家、には、仏壇と神棚があった。仏壇の上に神棚があり、朝と晩に祖母がごはんを置いていたり何か祈ったり拝んだりしていた。

その頃私の家はずっと団地のアパートで、神棚も無ければ仏壇も無かったが、従姉妹の家の仏壇には思いっきり生前の仏さん写真があったので、仏壇が何であるのか知るのは容易かった。また、盆と正月に従姉妹の家に逃避できる*1ので盆という行事に対して私は異様に食い付きがよかった。だから、自分の家に仏さんを思わせるものがひとつも無くても、盆踊りや迎え火送り火などの習慣を身の内に収める事が出来たのだと思う。*2

(余談だがヘソオーさんの実家には神棚はあり仏壇が無いが、義父の両親の写真が鴨居の上に飾ってある。仏壇はヘソオーさんの父の兄の家にあった。なるほど長男の家にはあるというわけ。)

一方の神棚が生活の中でどういう役割をするのか未だによくわからない。幼少時身の回りあったお伽噺は1位・グリム系か2位・民話系か3位・とんち話で、やまたのおろち因幡のウサギなどの日本神話は無かった。ついでに言えば育った土地も日本神話に縁のない土地だったので、生活の中に神話も無かった。(例:日本神話に因んだネーミングのまんじゅうや酒のCMが流れたり、などが無い)
思い返して気がついたが従姉妹の家の神棚にはロイアルファミリーの写真があった*3。祖父は神楽の名手だったと聞いてはいたが神楽が何を表すのか私は全然知らず、近年になって本を読んで知った。ヘソオーさんの実家に行くとお義父さんが朝晩神棚に手を合わせる。今の土地に越してきてからは有名な神社に足を運んでみたりしている。そんなふうに知識としての神棚の情報は増えたが、やっぱり未だによくわからない。

*1:自分の家には兄がいて始終妹を狙っておった

*2:そういう習慣の良し悪しは別として

*3:縁故のハッキリしている仏さんの写真とはやはり説得力に差があるものである