キリクと魔女 [DVD]をケーブルTVで放送していたので見た。うちのTV画面が小さいのが悔やまれる色彩の美しさ、やっぱり映画館で見たかったなあ・・・なんで見逃したんだっけ。
魔女カラバは最近読んだ「白痴」のナスターシャに重なった。強い力を秘めた「女性」が「男性」から傷を受けて苦しむ、その様子が破壊的であるところ。
ナスターシャは満たされず終わるがカラバは満たされる。それは負った傷に向き合ってくる他人(キリクやムイシュキン公)の力の差なのだろうか。キリクがカラバに求婚して(嬰児であることを理由に一度は拒否されるが)あっさり受け入れられて、しかも極上の恋人同士として成り立ってしまう、そのシーンを見たときのショックといったらなかった。悔しかったら身体を使って行動してみろとキリクに言われた気がした。

キリクはとんでもない身体能力をもつ存在として描かれている。自分の意思で生まれ、嬰児のまま行動し村を救い、魔女の秘密を解き、求婚する。ムイシュキン公は生身の人間であり迷いがあったため、最悪の事態を招いて終わっていた。